カマイルカの出産は、破水からおよそ2~3時間後。早朝、15人のスタッフが駆けつけました。
「あ!もうそろそろだな」
【記者リポート】「破水から3時間。イッチの後方部分から赤ちゃんのしっぽは見えてきています」

尾っぽが見え始めた状態から35分が経過…。まだ、産まれません…。
「踏ん張ってます!あ~。あ、でもだいぶ進んでいます!」
何かあった時に手助けできるようダイバーも待機。固唾を飲んで見守ります。
「出た!出た!」
午前8時21分、メスの赤ちゃんが産まれました!
「呼吸!呼吸!」
出産の喜びに浸る間もなく、油断できない時間が続きます。
【記者リポート】「呼吸ができるかどうか…」
イッチは、赤ちゃんを水面まで持ち上げて呼吸させることが出来ました!
産まれたばかりの赤ちゃんは、身体が柔らかくふにゃふにゃ。お母さんにくっついて懸命に泳ぎ続けます。もう、お母さんのことを分かっているようです。

【野村卓之館長】「母親もガイドが上手っていうのかな、外側から内側に向かって誘導しながら泳いでいます」
【安藤みはるさん】「だいぶ落ち着いてきたんですけれど、気を抜くと心配なのでまだまだ目は離せないなという感じです」
呼吸ができているか、壁にぶつからないか、授乳ができるか、24時間態勢での見守りが始まりました。

【記者リポート】「いました!赤ちゃん元気です。身体がだいぶしっかりして、お母さんと力強く、楽しそうに泳いでいます」
身体をよ~く見てみると…黒と灰色、白の模様が少しずつ見えてきています。もう間もなく脱皮を迎えて、カマイルカらしい模様になるんだとか。
赤ちゃんの命を左右する授乳は…。
「今の一瞬がおっぱい飲んでいる?」
【安藤みはるさん】「はい、体もま~るくなっているところを見ると、ちゃんと飲めているんだなって思います」
赤ちゃん、お母さんから離れて水面に顔を出すなど、泳ぎも上達しているようです。こんなに元気な赤ちゃんですが、産まれてから一週間、何もトラブルがない状況は信じ難いと野村館長は驚きを隠せません。

【マリンピア日本海 野村卓之館長】「ひきつけを起こしてしまう個体もいましたので、問題なく育っているのは非常にありがたいことだと思います」
まだ一般公開はされていませんが、成長の様子が動画で公開されていて訪れた人も赤ちゃんの成長を応援しています。

【訪れた子どもは】「いっぱいご飯食べて大きくなってほしい
【訪れた人は】「親子で泳いでいる姿見てみたいですね」
産まれてから1年後に生存しているカマイルカは、全体の2割と言われています。
それだけにここからのスタッフのサポートも重要になってきます。
【安藤みはるさん】今までとりあえず色んなことがありながらも、他のイルカたちが、年を重ねていくなかで何があるか分からない。予想外のことが起こって、突然ということもあるんだろうなと思っているので、ずっと気にしなきゃいけないなと思っています。

立派に成長した姿をみなさんに見せられるように‥懸命なサポートが続きます。