約8割が尿に関する悩みあり 男性「チョイ漏れ」女性「力み漏れ」

・急に起こる抑え切れない尿意…
・日中に何度もトイレに行ってツライ…
・トイレに間に合わず漏らしてしまう…

こんな経験がありませんか?頻繁に症状が続くようであれば、それは「過活動膀胱」かもしれません。過活動膀胱は、膀胱が過敏になって尿が十分にたまっていなくても、本人の意思とは関係なく膀胱が収縮して、急な尿意や何度もトイレに行きたくなるような症状です。

最も困っている症状は (日本排尿機能学会アンケート調査より)

日本排尿機能学会が、20代~90代の男女6210人を対象に行ったインターネット調査の結果によると、尿に関する症状で一番困っているものを尋ねた質問では、男女ともに最も多かったのが「夜間頻尿」でした。

また、男性は尿を出す症状について挙げた人が多く、排尿が終わった後に、尿で下着を濡らしてしまう「チョイ濡れ」(排尿後尿滴下)は、男性の20代・30代の約23%が経験したことがあるという結果が出ています。

女性は尿漏れに関する症状について高い傾向がみられ、くしゃみをしたり、重い物を持ったりした際に、尿が漏れてしまう「力み漏れ」(腹圧性尿失禁)は女性に多く、高齢者では半分近くの方が経験していることがわかったといいます。

過活動膀胱の有病率(日本排尿機能学会アンケート調査より)

そして、20歳以上の約1300万人が「過活動膀胱」に罹患していて、その割合は加齢とともに上昇、50歳以降になると急激に伸びることが分かったといいます。

この「過活動膀胱」について、注意したいポイントや家庭で気をつけるポイントについて、広島県医師会常任理事で、はしもとクリニック院長の橋本成史さんに詳しく聞きました。

3か月以上症状が続けば診断 生活の質を大きく下げる「過活動膀胱」

本名正憲アナウンサー
 最近、「過活動膀胱」を取り上げる記事を見ることも増えたように思いますが、20歳以上で過活動膀胱に当てはまる人が推計1250万人というのを紹介しました。この1250万人という数字はどうご覧なりますか。
はしもとクリニック 橋本成史 院長
 1250万人というと、20歳以上の方の人口は約1億人と推定されますので、これはかなり高い割合です。過活動膀胱の頻尿・急な尿意・尿漏れなどの症状は生活の質を大きく低下させて、日常生活や仕事や社会生活に大きく影響するので、とても無視できない健康問題です。医療の分野も含めて社会全体が取り組みを強化する必要があると思います。
本名アナ
 もちろんこうした症状は昔からあったわけですよね。最近、急に取り上げられてきたのは、高齢化なども伴って症状持つ方が増えてきたということなんでしょうか。
橋本院長
 確かに年齢が上がるほど、過活動膀胱の症状が出る人が増えています。65歳以上の15~30%の方が過活動膀胱の症状を持ってると言われます。

本名アナ
 あらためて過活動膀胱というのはどういった状態を指すのでしょうか。
橋本院長
 簡単にいうと、オシッコが頻繁に出る(頻尿)、急な尿意がある(尿意切迫感)、オシッコが漏れる(尿失禁)といった症状ですが、過活動膀胱は少なくとも3か月以上持続する場合に診断されます。
 しかも、例えば膀胱炎や膀胱がんなど他の疾患による症状ではないことが確認された上で診断されます。
本名アナ
 私自身は、この中でいうと尿意切迫ですね、急激にきますね…。
橋本院長
 特に高齢になるとよく感じる症状だと思います。私ももう後期高齢者になって、こういう症状を強く感じるようになりました。