大阪公立大学の城戸教授に聞く「手足口病のギモン」
この他の様々な疑問についても城戸教授に聞きました。
まずは「手足口病は一度感染すれば大丈夫?」という質問について。城戸教授によりますと、感染すれば免疫ができて防御力は高まりますが、再感染はあり得るということです。なぜならば新型コロナの際に話題になったのと同様に、手足口病のウイルスにも何十何百もの種類があり、極端に言えば、毎日変異型が出ているというものだそうです。そのために再感染はないとは言い切れません。また免疫も次第に弱まっていくため、注意が必要だということです。手足口病については予防するワクチンもないということです。
続いては「感染後はいつから幼稚園・保育園・学校に行っていいの?」という質問です。これに関しては城戸教授によりますと、元気になったらいつでもいい、ということです。学校保健安全法での出席停止期間の指定はありません。厳密に言うと、便へのウイルスというのは1か月くらいは残り、飛沫も2週間くらいは残りますが、すれ違っただけで感染するほどの感染力ではないということです。
子どもは接触が当たり前なので、どうしても感染が広がってしまうことはありますが、そこは考え方の問題で、そこまで徹底して絶対に感染してはいけない、と思うかどうかというところのようです。
次に「夏の三大感染症とされる手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の違いは?」についてです。どれも発熱や喉の痛みがあります。
この見分け方について城戸教授に聞くと…その答えは「見分ける必要なし」というものでした。そもそもこれらにはワクチンや治療薬がなく、見分けたとしても対症療法しかありません。海外では寝てたら治ると言われる病気だそうです。子どもの場合は特に怖がる必要はないということです。
病院で医師が診察する際には、重症になる別の病気が隠れていないかを見ていて、まれに脳炎・髄膜炎などの重症化するものがあるのだそうです。頭痛がかなりひどい、だるそうにしている、高熱が長く続いている、いつもと様子が違う、こういうところを医師は確認していて、自宅で様子を見るという場合もそういったところについては気にしてほしいということです。