“タイトルホルダー”小池知事は現職の強みを徹底的に活かした戦い

藤森祥平キャスター:
同じ日の公約発表になった2人の記者会見について見ていくと、小池さんは記者を会場には入れない、オンライン形式でのやり取りでした。質疑応答に答えられた記者は5人です。

一方、蓮舫さんは記者を招き入れた対面形式で、答えられた記者は19人。こういった差がありました。

23ジャーナリスト 宮本晴代記者:
私もオンラインで小池知事の会見を見ていましたが、参加人数は約120人だったそうです。そのうち質疑応答で当てられたのが5人ということは、ちょっと短いなと。私も挙手していましたが当てられる時間がなかったので、公務の都合もあったのだと思いますが、もう少し時間が欲しかったなと思いました。

藤森キャスター:
改めて、この2人の公約の中身を見ていきます。

まず小池さんは「東京大改革3.0」と題し「セーフシティ」「ダイバーシティ」「スマートシティ」などと挙げています。このなかでダイバーシティにはタイトルに「子育て・教育」とあり、「無痛分娩費用も新たに助成」「保育の無償化、第一子まで拡大」といった公約が含まれています。

一方の蓮舫さんは「7つの約束」と題し、まずは「現役世代の手取りを増やす」ことで本物の少子化対策に繋がる。また、「本物の行財政改革」でガラス張りの都政にする。これを2つの柱にしていました。

そしてもう一つ、「東京全体をもっと良くする」という公約については「神宮外苑の再開発を見直して、大切な緑を守ります」とのことです。

23ジャーナリスト 宮本晴代記者:
この2人に限った戦いをボクシングに見立ててみると、知事を2期務めた現職、いわば“タイトルホルダー”である小池さんが2本のベルトを巻いています。その小池さんに、“チャレンジャー”の蓮舫さんが挑むという形です。

まず公約発表のタイミングを考えてみると、実は蓮舫さん陣営の関係者は「公約発表は相手の出方を見てから。なぜならパクられるから」と話していました。結果的に出馬の表明から少し間が空いて、18日の公約発表という形になったわけです。

一方、政策の中身がどうかというと、タイトルホルダーである小池さんは、現職の強みを徹底的に活かした戦いです。無痛分娩費用の助成や、保育の無償化拡大など、非常に子育て世代にアピールする政策です。

これらは批判しづらい政策ですので、チャレンジャーである蓮舫さんも「さすがだなと思いました」と発言しました。「いい政策は、もし自分が知事になったら引き継ぎます」と言わざるを得ず、ここまではチャレンジャーが現職を追う展開になるわけです。