「黒い雨」を巡る裁判って確定したはずでは…?
原爆投下後に降った、放射性降下物を含むいわゆる「黒い雨」の範囲を巡っては、これまでにも裁判で争われてきました。

2015年に始まった訴訟では、それまでの援護対象区域の外で雨にあったという原告全員の訴えが認められ、国は、新たに3種類の雨域を認める新基準を策定しました。2022年4月からの運用で、24年5月末までに5900人余りが新たに認定されています。

一方、河野さんなど今回の裁判の原告は、その新基準の雨域の外で雨を浴びたとしていて、手帳の申請を却下されました。

広島市 原爆被害対策部援護課 坂本千景課長
「これらの雨域の外で雨にあった、とされる方については、さらに原爆戦災史など、過去の資料を丁寧に調査しています」「客観的な資料で確認できなければ認定が難しいということです」
雨域の外で「黒い雨」が降ったのかが、資料で確認できないから却下…。
原告の弁護団は、これまで広い範囲での供述調査が行われなかった中で、「あまりに不合理だ」と言います。