愛犬が動物病院での外科手術後に衰弱して死んだのは、術前にリスクを十分に説しなかったほか、術後に適切な処置をとらなかったことが原因だ__ 飼い主側が9月26日、院長を相手に裁判を起こしました。

 飼い主側は「大切な家族を失った。家族の一員と思ってくれる判決を望んでいる」と、悲痛な思いを述べています。ペットが民法上は“物”として扱われている現状に、一石を投じたい考えです。(MBS大阪司法担当 柳瀬良太)

「自分の子どもと同じくらい、それ以上の愛情を注いでいた」

「るく」(原告提供 以下同)
  

 つぶらな瞳が愛くるしい、ポメラニアンとトイプードルのミックス犬「るく」(メス)。大阪府内で暮らす5人家族の愛犬で、かけがえのない存在でした。

飼い主の男性(9月26日の会見 以下同)
「やんちゃで、元気で、明るくて。家にも笑顔を与えてくれた。自分の子どもと同じくらい、それ以上の愛情を注いでいた」
「散歩やドッグランなど、いろんなところに連れて行った」

 しかし今年5月、楽しかった家族の日常は、突然奪われます。「るく」は膝蓋骨脱臼(パテラ)と診断され、滋賀県内の動物病院で外科手術を受けましたが、その後、衰弱して容体が急変。天国に旅立ったのです。2歳6カ月でした。

会見で涙ぐむ原告男性(9月26日)

飼い主の男性
「悔やんでも悔やみきれず、私たち家族は今でも苦しみから抜け出せていません」
「退院時を振り返ると、家族の元に戻ってきた時、しっぽを振って喜ぶのが普通です。(しかし)『るく』は退院の時も苦しくて、一度もしっぽをふれず、退院後2日間苦しみ続けた」

 一体、何があったのでしょうか?