中国四川省・成都市。火鍋大国として知られるこの街で、火鍋油で飛行機を飛ばそうという取り組みが世界の注目を集めている。その現場を訪ねてみた。
火鍋大国・年間30万トンの廃棄油
真っ赤なスープに、大量の唐辛子と山椒。日本でも人気の四川火鍋だ。

火鍋の本場を歩くと、平日の昼間にもかかわらず、ところかしこで人々が火鍋を囲む姿を見ることができ、街はどことなく火鍋の香りが漂う。

成都市民にとって火鍋とは「一日食べないと、身体の調子が悪くなる」ものらしく、「火鍋は主食」と豪語する人がいるほど、まさに地元のソウルフード。日本全国のラーメン店がおよそ2万5千軒であるのに対し、火鍋店は成都だけで2万軒以上あるらしい。

四川火鍋の特徴は1つの鍋に2キロという大量の油を入れること。その結果、人気店では年間におよそ100トン、四川省全体で30万トン以上の廃棄油がでるそうで、この使い道が長年の課題となってきた。