世界が注目する四川省成都市の地元中小企業
成都市の火鍋などから出る廃棄油の7割の回収を一手に引き受ける企業、四川金尚環保科技会社が今、世界の注目を集めている。火鍋油を使ったSAF(持続可能な航空燃料)生産に来年から本格参入するためだ。

世界から注目されている、というので、さぞかし巨大な国営企業なのだろうと思っていたが、実際訪れてみると社員150名の中小企業だった。
その創業社長・葉彬さんに話を聞いた。

葉社長は2005年にこの会社の前身となる会社を創業。大学で学んだ畜産学を活かし、食品廃棄油を家畜の飼料用油に処理する事業をスタートした。しかし2012年、中国政府が食品廃棄油を直接飼料用油にすることを規制したことから事業は低迷。
そのため2017年、食品廃棄油をバイオマスエネルギーに転用する会社を新たに興し、バイオマス混合油やバイオディーゼルの生産を行ってきた。

中国ではいまだに石炭を使って生活を送る人がいて、CO2や有毒ガスの排出など環境への負荷が課題となっている。そこで葉社長は石炭に替わるものとして火鍋油を再利用したバイオマス混合油という、石炭と同程度の価格で、しかも環境にやさしいエネルギーを供給する事業を展開した。
そして、2018年、転機が訪れる。