「致死率が最も高い感染症の一つ」
次に劇症型溶連菌の致死率についてです。よく致死率が高いとされるエボラウイルスが50%前後で、この劇症型溶連菌は30%前後とされていて、城戸教授は「致死率が最も高い感染症の一つ」と話しています。ちなみにインフルエンザ(60歳未満)で致死率は0.01%です。
この劇症型溶連菌の30%前後という数字は、感染がわかって死亡した人を数えるため、分母の数が正確に把握しにくいそうで、実際にはもっと高い可能性もあり、致死率がはっきりわからない怖さもあるということです。
年齢にも特徴があります。国立感染症研究所が公表しているデータから、今年の劇症型溶連菌感染症の国内感染者を年齢別で見てみると、明らかに高齢者が多くなっています。死亡率も高齢者の方が高くなっていて、30代17.5%に対して、80代は27.9%です。若い人も感染していますが、20代以下で亡くなっている人はいないということです。
ただし、城戸教授によりますと、劇症型溶連菌は年間1000人2000人が感染してその半数近くが亡くなる怖い病気ですが、こういった病気は他にも多くあり、この病気だけをことさらに怖がる必要はないということです。