自分の生き方を大切にしたいリスキリング志向

こうした奇特な向上心の持ち主は、どんな価値観をあわせ持つのか。
ここからは、特にリスキリングという話題が身近そうな「勤め人」に絞って、リスキリング項目を選んだ「リスキリング志向」の人とその他の人を比べる集計を進めていきます。

リスキリングは仕事の知識・技能を身につける話なので、仕事についての考え方(仕事観)にそうした志向の人の特徴が表れるかも。
そう考えて、TBS生活DATAライブラリ定例全国調査の「仕事についての考え方」の質問(24個の選択肢からあてはまるものを複数回答)を集計してみたのが、次の棒グラフです。

TBS生活DATAライブラリ・定例全国調査(2023年11月実施、勤め人(従業員・管理職)について集計)

選択率上位の項目を並べた左のグラフを見ると、「仕事は生活の手段」という考えはリスキリング志向者もその他も8割弱。一方、志向者では「仕事で家庭を犠牲にしない」「出世は気にしない」など、“会社の仕事が全てではない”という考えの持ち主が、その他よりもやや多い感じ。

また、その他との差が大きいものを並べた右のグラフを読み解くと、「仕事は自己表現・自己実現につながるけど、いつも忙しいから、育休も取りやすい職場ながら、出来ればテレワークしたい」という感じ。
自分の生活や生き方を大切にしたい「今どきのまっとうなビジネスパーソン」の姿が見えるようで、ねじりハチマキのモーレツ軍団が昼夜・公私の別なく働く「昭和の会社員」とは雲泥の差です。