気がかりは“子どもたちへの影響”

蟻塚さん「沖縄にいて原発事故が起きたときに、福島でも50年、60年するとお年寄りがみんなPTSDになるなって私思ったもんだけど、それは、50年経たなくても、こっちに来て、さっき言った津波で流されて仮設にいた女の人が、おばちゃんの葬式で寝れなくなったということがあった」

震災と原発事故がもたらした深い心の傷。いまも蟻塚さんのもとには、多くの人が通っています。

蟻塚さん「未来に対する借金なわけよ。トラウマってのはね。だから今後、ますます出てくるわけだね」

13年経った今も、終わることのない福島の現実。今後についても、気がかりな点があります。子どもたちへの影響です。

蟻塚さん「子どもは敏感だから問題を表面化させるけど、この子どもたちが10年先、20年先どうなるっていうことを考えると、20年先にどうなるかっていうのは、例えばうつ病が増えるとか自殺が増えるとか、そういうことはあり得ないとは限らない。沖縄はそうだったね」

喪失や絶望を抱えながら、毎日を必死で生きる人たちとそれを支える医療従事者。その姿を追ったドキュメンタリー映画が、大きな反響を呼んでいます。

タイトルは「生きて、生きて、生きろ。」

蟻塚さんも、主人公の一人として登場します。

映画「生きて、生きて、生きろ。」より