お店などの負担大…それでも新しくするのは偽造防止のため!

新紙幣が導入されると大変なのがシステム改修にかかるコストです。逆に言うと経済効果とも言えるかもしれませんが、1.6兆円かかるという試算が出ています(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト木内登英氏より)。
全国100店舗でカプセルトイを扱う「ガチャガチャの森」では100円硬貨を多く使うので、両替機を設置していて、この両替機を替えていかなくてはいけないそうです。1台買う場合は120万円ですが両替機の数は150台。ソフトウェアのアップデートで済むような機種でも1台9万円、ユニットごと交換する場合は1台30万円かかるため、全国の店舗の総額は1500万円もかかるということです。さらにユニット交換の場合は、自分たちで外してメーカーに送り、改造してもらって送り返してもらうため、その間の代替機を自ら用意しなくてはいけません。さらに両替機は重さが300kgあるため、普通の車では運べず、専用の輸送を依頼しなくてはいけないことも含めると、相当なコストがかかります。
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では、なぜ紙幣を変える必要があるのか?一番大きい理由は「偽造防止」です。20年経つと、偽造する側の技術も進んでしまうため、ときが経つにつれて偽造が増えると世界的にデータで出ています。
また、こんなデータも。100万枚あたりの偽造紙幣の枚数は、ユーロで1200枚、ポンドでは2400枚あります(財務省の2021年の調査より)。印刷技術が世界一と言われる日本の円は優秀で100万枚あたり13枚です。警視庁の統計資料によりますと、2023年の偽札の発見枚数は681枚。ピークだった2004年の2万5858枚と比べると38分の1となっています。2000年代のはじめ頃に一気に偽札が増えたのは、カラーコピーが普及したからだそうです。現在は基本的に自動で検知してカラーコピーができなくなっています。
新デザインが出た後はやはり偽札の発見は一気に減っているため、今回も新紙幣の流通で偽札の増加を止められると言えるのかもしれません。














