台本はスタジオには持ち込まなかった
鈴木 元々、お聞きのように早口ですから。江戸っ子だから早い分には構わない。ゆっくりしゃべれってのは苦手ですけど。それで、番組のテンポっていうことを考えて、これで勝負しようと思って。
それから話題として何を取りあげるか。どんな番組でも、始まりの1分半で勝負なんですよ。どんな短い番組でも、長い番組でも、頭の1分半が勝負なんですね。ですからそこに、何にもってくるか。それを一番注意したのは、白崎(友久)さんと一緒にやった「クイズ面白ゼミナール」※ っていう番組です。頭の1分半っていうのにほとんど番組全部のエネルギーをかけたように思うんですね。(※1981年4月~1988年4月放送。はじめの1年は木曜日の45分番組で、1982年4月からは日曜日の40分番組として放送された)
隈部 鈴木さん、よく言われるんですけど、台本をスタジオには持ち込まなかったっていうのは。ほんとなんでしょうか。
鈴木 ああ、ほんとです。どんな番組だって俳優さん、舞台に出るのに台本持ってきますか?
隈部 はい、はい、はい。
鈴木 私はテレビカメラの前に出たら演じなきゃいけないんですよね。それを今の、なんですか、キャスターだかなんだか知らんけど。一行一行、見ながらやってるじゃないですか。だから自分の番組にならないんですよね、あれ。
隈部 うん。
鈴木 だから私は最初から、テレビの初期から、中継に行くにも、スタジオに行くにも、台本を持って入ってったってことは一回もないです。
隈部 逆に言うと、台本持ち込まず、時計持ち込まず、そういうことでおやりになって、どうも私はげすっぽいのかもしれないけど、げすの勘繰りで、手順間違えちゃったり、記憶違いがあったりして、なんか混乱するようなことはなかったですか。
鈴木 プロですからね。















