背後にある相互不理解と同質的集団
長短両面持つSNSであるが、昨今の地域において「田舎」や「高齢者」が批判の的となる「炎上」が多発しているのはなぜか?その一部を見ていると、相互不理解が見える。
というのも、SNSへの投稿が広く拡散されることで共感が得られた、と投稿者の正当性認識が高まり、確信となる。すると確信された意見であるため、地域からでる異論に耳を貸さなくなってしまう。やがて自分と同調してくれる意見のみを受け付け、反対する意見を拒絶することで孤立していってしまうのである。
地域での孤立は孤独感を生み出すが、SNSを介した同士とは逆に強い結束が生まれる。つまり、SNSの投稿によって形成される同調機運は極めて同質性の高い、排他的な集団となってしまうのである。
そのため、結果として対立する意見とのコミュケーションが絶たれ、不理解が進む。その同質性を理解したうえで他の意見と向き合う必要があるが、多くの「炎上」ではただ、強く相手を非難することに終始してしまい、前向きな意見交換となることは稀である。
これは炎上した案件に限らず、SNSは様々な人々のアクティビティがメディアとして発信されるため、当初は良い関係にあった人たちも、一旦関係が悪化するとブロックしてしまうため、同様に相互不理解が進んでしまうのである。