性犯罪 約9割が初犯…子どもを守るには?

藤森キャスター:
実は性犯罪者の前歴の有無を見ていくと、初犯が90.4%と9割を超えています。
樫田記者:
今回、加害者の男も初犯でした。専門家も「採用の段階で見抜くのは本当に難しい」と指摘しています。

日本旅行も、事件前からボランティアスタッフに対して、性犯罪に対する注意喚起や指導は行っていました。事件後の再発防止としては、主にスタッフ同士で不正を見逃さないように通報制度を強化したと話しています。
日本旅行は今回取材に応じた理由について、「広く社会に知ってもらうことが、当該企業として向き合うべき社会的責務」と話しました。

小川キャスター:
私も1人の親として、全く他人事ではないと思いながら向き合っていますが、先ほどの男の子とお母さんのやり取りを聞いていると、日頃からのコミュニケーションがとても大切なんだなということも痛感します。
例えば、幼い頃から「自分の体は自分のものであって、プライベートゾーンがあるんだ」ということを伝えていく。考えたくないですが、何かが起きてしまったときには、「あなたは決して悪くないんだよ」と「話してくれてありがとう」というふうに言える親でありたいと思いますし、そうした言葉のかけ方や日常的なやり取りを続けていくというのも大切な対策だと感じます。
伊沢拓司さん:
初犯が90%ということですが、「果たしてそれが初犯なのか」ということです。見えてこないところがある中で、捕まった回数は1回目かもしれないというようなことがあるわけです。
特に欧米諸国に比べて、日本は「加害者研究がすごく足りてない」と言われています。タブー視してしまうがあまりに、加害者について我々はあまりにも情報を持っていないということが指摘されているので、そういったところはしっかりと我々も目を向けていくべきところだと思います。それこそ、先天性の小児性愛なのか、後天性なのかということなどは、今はまだわかっていない部分もあるので、そこは研究しなければいけません。
あとは「包括的性教育」の必要性というのもいま訴えられていて、「社会的な性」についてもっと学校で学ぶべきではないかと。それこそプライベートゾーンについて学ぶ場面というのが日本は少ないと言われているので、社会側が変わっていくということが、企業に対しての対策のみではなく、求められるところかなというのは思います。
小川キャスター:
一度被害が起きてしまったら、記憶はどんどん遠ざかっていくかもしれませんが、心の傷というのは簡単に癒えるものではないということを考えると、あらゆる角度から包括的に対策を行っていくことが必要ですよね。
樫田記者:
企業が「性暴力は許さない」という姿勢や対策を、積極的に見せるようにしていき、問題を社会的に広く共有していくことはすごく重要だと思います。
藤森キャスター:
我々全体で常にアンテナを張るということですよね。
小川キャスター:
性犯罪や性暴力の被害について悩みを抱えていらっしゃるという方は、「ワンストップ支援センター」というものがあります。
医療・心理的支援、法律相談などの専門機関とも連携し、被害者本人だけでなく、その保護者の方などの相談も受け付けています。「#8891」で最寄りのワンストップ支援センターに繋がります。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(全国共通)
#8891(はやくワンストップ)(通話料無料)
※NTTひかり電話の場合:0120-8891-77
==========
<プロフィール>
トラウデン直美さん
慶応大学法学部卒
環境問題やSDGsについて積極的に発信
伊沢拓司 さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒
クイズプレーヤーとして活躍中
樫田小夜 記者
news23記者・編集長 ジャニーズ性加害問題などを取材