ニュースを新たな視点と独自取材でお伝えする新コーナー「eyes23」。初回に取り上げるのは「子どもへの性被害」です。大手旅行会社が主催する子ども向けの「キャンプ」に参加し性被害にあった、男子児童と両親が私たちの取材に応じました。少年が初めて母親に伝えた被害の実態の音声記録を、性描写もそのままの形でお伝えします。
「体をさわられた」少年の突然の告白
虫取り網を手に持ち、嬉しそうに立つ少年。彼が母親にその事実を打ち明けたのは、いつものように一緒にベッドに入った夜のことでした。

男子児童(当時8歳)
「うーん、言いにくい…言いたくない。それやった人、捕まる可能性があるけど」
母親
「わかった、じゃあ…えっと…」
男子児童(当時8歳)
「体にさわられたしか言えない。すごい困っている。僕の中で一番困ったこと」
母親
「そりゃ困るね」
これは当時8歳の男子児童が初めて、自分が受けた性被害を、母親に打ち明けた様子を記録した音声です。
母親は咄嗟にスマホで録音したといいます。

母親
「お布団に潜り込んで、お布団抱えながら『あーうー、どうしようかな』『えーっと、これを言うと捕まっちゃうよな』『犯罪になっちゃうよな』『言えないよな』って言っていたので、これはきっと何か被害に、犯罪の被害にあったんだろうと思ったので」

事件が起きたのは3年前。少年は大手旅行会社「日本旅行」が主催する子どもだけの「泊まりがけキャンプ」に参加していました。
性被害を受けたのは、ほかの子どもたちと寝ていた深夜のこと。
加害者は、ボランティアスタッフのリーダーとして、子どもの世話役を担っていた20代の男でした。
いったい何があったのか。ためらいながらも、少年は母親にこう話し始めます。