「他の子がこういう思いをするのは本当になくしてほしい」

小川彩佳キャスター:
被害を受けた男の子は、どんなに怖かっただろう、どんなにショックだっただろうと思いますが、大変な勇気を振り絞って言葉にした。それをお母さんが懸命に受け止めて記録をした。だからこそ私達が聞くことができる、貴重な音声記録だったと思います。

トラウデン直美さん:
大人だって言えないことだと思います。子どもだったらなおさら怖いし、ショックだろうし、びっくりしただろうし、なかなか言えないし、親にも心配かけまいと、大丈夫なふりをするんだろうなと思います。“お母さんにサインが出た”ということは、どこかで絶対に助けを求めているはずなんだと思います。

そういった声を聞いて、お母さんが様子を見ながら、しっかりと耳を傾ける。何があったか聞いて、そしてちゃんと「大丈夫、あなたが悪いんじゃない」「ちゃんと大人が対応するから」と、絶望しない環境を整えてあげるというのは本当に大事なことだなと感じます。

株式会社QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
まさに親密さを盾にした「グルーミング」と呼ばれる手法で、犯罪に巻き込まれてしまったと思います。泣き寝入りや地下化してしまうケースが多い中で、お母さんの聞き取り方がとても丁寧でしたよね。ああいった知見も含めて、もっと広がっていくこと、そして見逃されないことというのは改めて大事だと思うので、ご両親・ご家族の態度は本当に見習うべきところが多いと思いました。

小川キャスター:
取材をした樫田さん、ご家族はどんな思いでこの取材に答えてくださったんでしょう。

news23編集長 樫田小夜 記者:
少年も含めて家族で話し合って、取材に応じるかどうか決めてくれました。被害にあった少年はすごく嫌だったし、怖かったけれども、他の子がこういう思いをするのは本当になくしてほしいと話しています。