「爆弾を背負わされた」今は見えない子どもへの深刻な影響
男子児童の母親
「赤で書いているのが犯人ですね」

加害者の男は、キャンプのしおりのなかで、少年に“メッセージ”を残していました。
『みんなでのぼった山はどうだった?』
『こんどはいっしょに山にのぼったり川に行ったりしたいね』
つらく苦しい捜査も、家族で向き合ってきたのは、強い思いがあったからだといいます。

男子児童の母親
「息子は何も悪くなくて、息子は被害に遭っていて、でもそれが言えなかったということからも、本人自身の中でも、すごくこれが葛藤であったし、最悪の思い出だと本人も言っていたので、それを私に言ってくれた以上、きちんと、これをうやむやにするのではなくて、警察に伝えて、悪いことをした人は捕まって罰を受ける。大人はきちんと対応するのだということを、本人に分かってもらいたいという思いです」
ただ、両親は将来への大きな不安を抱えています。
男子児童の父親
「おそらく記憶がだんだん薄れてきて、思い出す頻度も少なくなってきたりしてくるんだと、そうなればいいなというのも当然ありますけど。ただ、折に触れて思い出すこともあるでしょうし、そういう時にどんな気持ちになるのかなと」

男子児童の母親
「これが持つ本当の意味を理解するのは、もっと大きくなってからだと思うので。今後、彼にどういう影響を与えるかは、私もわからないですし、子ども自身もたぶんわかっていない。何か、爆弾を背負わされてしまったという感じですね」
専門家は、「多くの調査でほとんどの人が子ども時代には被害を言えていない」と指摘したうえで、「適切な支援につなげることが重要だ」と話します。

子どものケアにあたる 齋藤梓 上智大学准教授
「子どもたちは、社会とか他人とか、人間への信頼を築いている途中なので、築いている途中でそれが壊されていってしまうのは本当に大きな影響がある。『あなたが悪かったのではない』という適切なサポートを受けると、ちゃんとその出来事は心の中に整理してしまわれていくことがあるので、支援を受けるのは大事だなと思います」

日本旅行は事件について「誠に遺憾であり、痛恨の極みで、ご本人やご家族に大変な苦痛、ご心労をお掛けしたことを、心より深くお詫びする」などとした上で、「再発防止策を徹底の上、プログラムの運営管理を行ってまいります」としています。














