リフォームで「地震に強い家にする」技術が続々と開発されています。“塗るだけで家が強くなる液体”に“最強の糸での耐震”、さらには“低コスト&短期間”の技術など、耐震・防災リフォームの最前線を取材しました。
どんな家も地震に強くする“塗料”
まずは、今注目されている塗料、「レジリエンスウレア」。

一見すると水あめのような、ニスのような、ねっとりと粘り気のある透明の液体ですが、その強度がすごい!
素材のウレア樹脂は、米軍の弾薬庫やアメリカの特殊部隊SWATの防弾チョッキにも使われているほどで、家の外壁に塗るだけで強度が増し、劣化を防ぐとのこと。また防水性もあり、浸水にも強いといいます。

これが耐震性にどう関係があるのか…?
実際に現場でレジリエンスウレアを使っているリフォーム会社に聞くと、ポイントは「柔らかくて強い」ことだと話します。
ホームサービス株式会社 力丸広昭さん:
「地震の揺れで、塗料の膜が固いと(壁などが)割れてしまうが、柔らかいと揺れの動きについていくので亀裂が入りにくく、骨組みを傷めづらい」
では、一体どのくらい強いのか…。
マーケティング部の原千晶部員が、生卵にレジリエンスウレアを塗って試してみました。
はけでたっぷり塗りつけてから3時間。乾いた透明の膜が殻を覆っています。
この卵を30cmほどの高さから落としてみると…
マーケティング部 原部員:
「何も塗っていない卵は割れて、レジリエンスウレアを塗った方はひびも入っていません!」

さらに、レジリエンスウレアを塗った段ボール箱に大人が乗っても…びくともしませんでした。

もともと、道路やダムなどの耐久性向上に使われていたウレア塗料。これまではグレー色が多く住宅には不向きだったところ、透明タイプが開発され住宅業界に激震が走ったといいます。
リフォーム産業新聞 福田善紀編集長:
「住宅の耐震性を担保するにはやっぱり住宅の劣化を防ぐということが重要。この素材であれば住宅にも使いやすいということで、いま住宅にも使われだしている」
しかも、一回塗れば、耐久年数は約40年!一般的な塗料に比べ4倍長持ちとのことですが、まだ普及していないため、値段は通常塗料の1.5~2倍というのが現状です。