超軽量・超強力の「糸」で揺れを防ぐ

さらに、今話題の耐震はなんと、「糸」。
群馬県にある世界遺産・富岡製糸場でも、この「糸」の耐震技術が使われています。

貴重な文化財ゆえに、「元に戻すことができる技術」で補強しなければならないということで、どのような耐震がなされているのか、建物の中に入ってみると…。

大きな壁にワイヤーがX状に張られています。天井にも同じワイヤーがX状に。

このワイヤー、実は日本生まれの最新素材!その名も「カボコーマ」。
ポイントは、「軽くて強い」こと。
鉄の5分の1の重量で、引っ張り強度は10倍強い、という新素材なんです。
しかも錆びないので、木材を痛めることもありません。

その軽さのワケを探るべく、ワイヤーを切断してみると、細くて黒い糸の束が7本出てきました。

この束ねられている黒い糸が炭素繊維。直径4ミクロン、髪の毛より細い炭素繊維を50万本束ねて超強力なワイヤーにしているのです。
炭素繊維ということで、手に取ってみたマーケティング部の原部員も「軽い!軽ーい!」とその軽さにビックリ。

この新素材ワイヤー「カボコーマ」を、壁や天井にX状に張ることで筋交いが動かず、地震で建物が横に揺れるのを抑える力を発揮するといいます。

すでに一般の木造住宅でも、ワイヤーがデザインの一部として設計され、補強に使われ始めているといいますが、気になるお値段は…

カボコーマを開発「小松マテーレ」 奥谷晃宏さん:
「極端に大きくない家庭で150万から200万。意外と皆さん知らないんですけど、だいたい日本はどの自治体も1軒当たり150万円くらいまでは補助金でまかなえる」

まだ補助の対象ではありませんが、2年後の許可取得を目指しているそうです。