全国に広がった訴訟、最高裁の判断は…

しかし、飯塚さんらの提訴をきっかけに優生保護法を巡る訴訟は全国に拡大しました。上告にまで至った全国5つの訴訟を対象に、最高裁は29日、当事者に意見を聞く機会を設け、統一判断を示すための審理を始めます。

飯塚淳子さん(仮名):
「国がやった問題なので、とにかく今回が最後なので、きちんと責任を取ってもらいたい。謝罪もしてもらいたいし。二度と手術が起きないようにしてもらいたい」

法律に人生を狂わされた原告らの叫びに、司法はどのような判断を下すのか。最高裁は今年の夏にも統一判断を示す見通しです。

最高裁の審理の対象となる5つの訴訟のうち、高裁で敗訴しているのは飯塚さんらのみです。飯塚さんは全国で最も早く被害を訴えてきただけに、裁判の担当弁護士は、「飯塚さんだけが救われない判決は最も避けたいところ」と話しています。

古い法律とはいえ、考え方の根底に「差別」があったのは確かです。司法の判断に注目です。