最終便に乗船した60代夫婦「僕は船の通信士になりたかった」

 午後7時、淡路島から岬町への最終便に乗り込む60代の夫婦。中川善通さん(69)と千代美さん(66)です。
 (千代美さん)「主人がね、この船に乗りたいからね」
 (善通さん)「それだけの目的やけれども」

 船には特別な思いがあるといいます。

 (善通さん)「僕は学生の頃、船の通信士になりたかったんで、その学校も行っていたんですけれども、家庭の事情で乗れなかったです」
 (千代美さん)「その思いがずっと残っているんです。私も結婚してね、モールス信号取れと言われて、モールスの無線の免許を取らされたんです。新婚時代『ツーツートトト』とかずっと勉強した」

 2人で全国各地の船に乗ることが今の楽しみです。
 午後8時、最終便が到着しました。

 (岸本武志船長)「お疲れ様です。(Qとりあえず一安心ですかね?)そうですね。まだ明日もあるんですけれどもね。やっぱり喜んでもらえればこちらとしてもやりがいがある」
 最初の便が出航してから12時間以上、たくさんの思い出を運んだ深日洲本ライナーの1日が終わりました。

 深日洲本ライナーの運航期間は11月27日までの毎週土・日・祝で、お盆期間は毎日運航。運航状況や予約は公式ホームページをご確認ください。