関西でもクマ被害のリスクあり…理由は「イノシシ」

 環境省によりますと、2023年度のクマによる人身被害は198件(219人うち死亡6人)。統計がある2006年度以降で最多です。

 関西での人身被害はあまりなく、あっても府県あたり年に数件で、統計では死亡者は出ていません。ただ、米田所長によりますと、関西はイノシシが多く、このイノシシをきっかけに肉食のクマが増える可能性はあるということです。何かのきっかけでイノシシを食べたクマが肉の味を覚える危険性、さらにイノシシの罠にかかったクマがパニックに陥って人を襲うなど、関西でも決してリスクはゼロではないと指摘します。

 米田所長はクマによる被害の現状について、再び人を襲わないように分析して「駆除」するということが大切だとしています。ただ、むやみに野山にいるクマを駆除することに米田所長は賛成ではなく、むしろ反対されています。しかし、“人の肉の味を覚えてしまった”クマや、イノシシやシカの肉の味を覚えてしまったクマはまた人を襲う可能性があるため、そういったクマ、子グマ、さらにはグループのクマを特定し駆除する必要はあるとしています。一方で、ピンポイントでこのようなクマを駆除するのは難しいようです。