強豪校から勧誘も「諦めざるを得ない」

加藤さんが支援する高校2年生の亮太さん(仮名)。全国レベルのサッカー強豪校から勧誘されるも、そこへの進学は諦め、今はサッカーから離れた生活をしています。
Q.亮太さん(仮名)がサッカーを辞めた理由は?
シングルマザー 亮太さんの母親
「中学のサッカー部に入ったんですよ。熱心にやってきたから、サッカーへの温度差がすごくあって、顧問の先生とも部員とも揉めるようになって。本人が『クラブチームに行きたい』って。
最初にかかったのは30万円弱。ジャージ上下、練習着のTシャツ、クラブチームに行く時用のポロシャツ、各2枚ずつ。チームへの寄付、入会金が7万円くらい。月謝が7000円、県外へのバス代は1回3000円プラス食費」
Q.1か月、最低でいくら?
シングルマザー 亮太さんの母親
「5万円弱ですね」
Q.他には?

シングルマザー 亮太さんの母親
「長い休みは必ず遠征に行きます。2泊3日で6万円くらい、年に4回。消費者金融に30万くらい、気づいたら申し込んでました、私。やっぱり応援してあげたかったです」
亮太さんは中学3年の時、全国レベルの強豪高校から誘われたといいます。しかし…
シングルマザー 亮太さんの母親
「監督から『自分の所に来てプレーしてくれないか』って。すごく喜んで帰ってきて、行かせてあげたかったけど、金銭的な親の負担がクラブチームの時より、はるかに大変。諦めざるを得ない。

『そこの高校に行けないならサッカーやらない』と息子が言い出して。『やらない。もう絶対にやらないんだ』って。息子が“人間を取り違えた”ってぐらい豹変しました。家出だったり、部屋に閉じこもって顔も見ない。冷静に話せないんですよ」
亮太さん(仮名)は今、サッカー部が無い高校に通っています。

高校2年生 亮太さん(仮名)
「自分がクラブチームでお金をたくさん使ってたことは、お母さんには本当に申し訳ないと思っていました。お母さんには本当はサッカーしたい気持ちを伝えてなかったので、反抗っていうか、あまり良くはない友達と絡み始めて、本当にこんな事してていいのかなとか。サッカーをしない自分は、本当に情けないと感じてました。

夢はまだサッカーをしたいことで変わってないので、(サッカーが強い)大学を目指すため勉強を頑張ろうと思ってます。努力も大切と思いましたけど、サッカーができている環境に感謝する事も大事だと思います」
加藤さんは、亮太さん(仮名)がサッカーを再開できる方法を模索しています。

加藤代表
「支援する組織・担い手が増えていない。議論して考えて、一緒に支えてくれませんかと思う」