3374円~9249円 地域によって金額が全然違うのはなぜ?
そしてこの金額、それぞれの場所によって差があります。65歳以上の人が払う介護保険料の都道府県別の平均は、大阪府が1位です。市区町村別では大阪市が1位で、初めて9000円を超えて9249円となりました。2位は大阪府守口市、3位は大阪府門真市です。一方で下位1位は東京都小笠原村で3374円ということで、地域によってこんなにも差があります。
では、なぜここまで地域差が生まれるのか。北星学園大学の安部教授によりますと、介護施設の数や内容、高齢者の状況が地域によって違うからということです。具体的には、そもそもその地域に介護施設が多いか少ないか、さらには介護サービスの体制が在宅での介護なのか、施設が中心なのか、また要介護認定率、つまり介護や支援が必要だと認定されている人がどれだけいるか、こういったことが絡んでくるので、ただ高齢の方が多いから高いというわけでもないそうです。あとはどんな家族構成で暮らしている人がその地域に多いのかといったことも関係しているということです。
「介護保険料をそもそも全国一律にしたらいいのでは」という疑問も湧いてくると思うのですが、そこに関しては、介護施設が少ないという理由で保険料が安い地域の住民から不満の声が上がるのではないかということです。つまり、全国一律は平等な気がしますが、全国一律にすることによって逆に不平等感が出るという考え方もあり、そのため地域別に保険料が決められてるようです。ですから65歳以上の介護保険料を支払っている人たちがこうしたデータを見て、「私たちこんなに払ってたの」もあるかもしれないし、逆に「うちの自治体はこの額であのサービスを受けられていたんだ」と喜ぶ人もいるかもしれません。