大阪市の介護保険料が突出して高いワケ
では、大阪市の保険料はなぜ突出して高いのか、その理由を見ていきます。大阪市の横山市長によりますと、大阪市は一人暮らしの高齢者が多いといいます。65歳以上の人がいる世帯のうち単独世帯、つまり一人暮らしの世帯の割合は45%で、全国平均の29.6%を大きく上回っています。一人暮らしが多いとなぜ介護保険料が高くなるのかというと、一人暮らしの高齢者は軽度の状態から要介護認定を受けて介護サービスを利用する傾向があるということです。つまり、家族がいると家族の中でサポートし合えますが、家族がいないと、軽度の状態でも介護認定してもらわないことには生活が成り立たない人が多いということです。これだけが理由ではありませんが、大阪市の一つの特徴のようです。
そして、大阪市の介護保険料が非常に高い理由がもう一つあります。横山市長によりますと、それは低所得者の割合が高いということです。住民税非課税世帯にいる高齢者の割合は大阪市で49.3%(全国平均は33.2%)で、経済状況が苦しい人も多い。つまり介護保険料が他の自治体ほど集められていないということにつながります。
大阪市の場合、所得などによって15段階の保険料(月額)というのが設けられています。例えば第一段階(世帯全員非課税など)は3098円です。いろいろな基準はありますが、例えば第15段階(所得が1000万円以上)の人は月額2万7747円払わなくてはいけません。つまり、高い介護保険料を払わなくてはいけない人たちが大勢いると介護保険料は潤いますが、この第一段階の人が大勢いる場所ではどうしても介護保険料が集め切れないということが起こってしまう。それが大阪市は低所得者の人、さらには一人暮らしのご高齢の方が多いというのが特徴のようです。
では、例えば、年収1000万以上ある人にもっと払ってほしいと思うかもしれませんが、年収1000万以上の人が月ベースで支払っている2万7747円、この額も全国的に見てかなり高いです。そのため、“お金を持っている人がもっと払えばいい”という議論はなかなか大阪市の場合は難しいのではという意見もあります。