子どもたちが考える未来の治水

カーレンさん
「子どもたちは将来何が起こるのか学んでいません。ですから、子どもたちが自分たちの問題として考える機会を増やし、解決策に参加できるようなプログラムを作らなければと考えたのです」

子どもたちが次に訪れたのは「排水ポンプ場」。干拓地であふれた水を、最大9メートルも高い位置にある川に汲み上げます。

教育アドバイザー ニールデルト・ファン・ラールさん
「もしこの建物がなかったら、土地の一部が水浸しになります。人々が暮らし、働く場所です。だから水を汲み上げなければなりません」

ツアーを終えた子どもたちは、どんなことを感じたのか意見を出し合います。

Q初めて見たものはありましたか?

女の子
「堤防の上をバスで走ったとき、片側の水位がもう片側より少し高かったような気がします」

プログラムの最後には、子どもたちの意見をイラストに仕上げます。

今回、協力してくれたのは日本人のイラストレーター・アマリコさんです。考えを視覚化することで、子どもたちが理解を深め、解決策を導き出しやすくなるのではと考えられています。

女の子
「すごく楽しかったです。将来、自然や水の汚染をなくすような活動をしたいです」

プログラムを主催する財団は、2025年開かれる大阪万博でこうした取り組みを発表することを目指しています。

カーレンさん
「過去から学ぶだけでなく、未来に目を向けて、先祖が思いつかなかったような新しい計画を立てなければなりません。子どもたちが自分たちの未来に貢献してくれることを願っています」