モソ族は「自由恋愛」…俗説が流布したわけ
1500年にわたり続いてきたモソ族の「通い婚」制度。実は「女性は複数の男性を同時に選べる」とか、「男性はたくさんの女性と交際できる」とか、様々な「俗説」が流布しています。そのため「性に乱れた民族」という好奇の目にさらされることもあるそうです。
これについて、モソ族の文化を研究している博物館の欧冠葳 副館長は「モソ族は大変恥ずかしがり屋で、誰と誰が通い婚をしているなどを人に話すことさえ、はばかるような人たちです」と説明。「モソの9割は生涯を通じ、1人のパートナーしか持ちません」。俗説が広がった背景には、観光客が喜ぶように面白おかしく男女関係を語る観光ガイドの存在が大きいといいます。

観光客を乗せるボートを湖で漕いでいる28歳の男性。彼もまた「通い婚」をしています。
モソ族では正式に「夫婦」になると決める前に女性の家を訪れることはなく、多くの女性と同時に付き合うこともないといいます。
「モソの男性は誠実です。なぜなら私たちはチベット仏教を信仰しており、道徳的に外れたことをするのは、許されていないからです。漢族の人たちは私たちの習慣を理解できないと言いますが、女系社会は良い習慣であり、尊重すべきだと思います」

「毎日遊んで暮らす」自由すぎるモソの男たち
モソ族の男性たちは毎日遊んで暮らしている…。この説はどうなのでしょうか。ショウさんに「普段はどうしているのか」聞いてみると「ほとんど遊んでます」と即答。この日も午前9時だというのにこれから友達の家にトランプをしに行くと言います。彼女は怒らないのでしょうか?
ショウさん
「なんで怒るの?遊んでても怒らないよ。彼女は何も言わないよ。モソの男は自由で楽しいよ」
なんとも気楽なモソの男たち。時々観光客相手にボートを漕いで稼いだお金は、母親の家にいれ、遊ぶお金は母親からもらうそうです。
一方で、女性も自由です。ガータさんも夜は友達と飲みに行くし、やりたくない時は家事もしない。ご飯も作らない。なので「夫」が遊んでいても気にならないのだそうです。
「女系家族」が生まれたワケ
なぜ、世界でも珍しい「女系」の伝統が生まれたのでしょうか。
モソ族の文化を研究している博物館の欧冠葳 副館長は、▼山に囲まれた閉鎖的な環境だったことや、▼農地や資源が乏しく、ほかの民族との争いがなかったことなどから女系の習慣が守られてきたのではないかと指摘します。
「モソ族には、男だからこうすべき、女だからこうすべき、がありません。とても柔軟性がある民族だと思います。子どもを育てる権利と財産を相続する権利を女性が継ぐだけであって、女性がより高い地位にあるということではなく、常に男女は平等なのです」














