伝統にも変化が…「結婚」を選ぶ若者たち
しかし、若い人たちの考えは変わってきているようです。
こちらの夫婦は「通い婚」ではなく、結婚を選びました。結婚して1年。5か月の子どもがいます。

夫(27)
「結婚してよかったです。いつも子どものそばにいられますから。それが子どもにとっても一番いいことだと思います」
妻(27)
「一緒に暮らせば子どものことで喧嘩もしますが、私は家族一緒でいま、幸せだと思います」
村を出て、外の世界を知った若者を中心に今ではおよそ3分1のモソ族が「結婚」を選ぶそうです。代々、女性が家を継いできたモソ族。結婚をして家を出ることに抵抗はなかったのでしょうか?
妻
「お互いの家も近いですし、私には3人の姉妹がいますので、ほかの姉妹が家を継いでくれますし、心配はありませんでした。家族も理解してくれました」
押し寄せる時代の変化の波。

こちらの女性はモソ族の伝統的な織物を織り続けています。100種類以上あるというモソ伝統の模様。そのすべてを織れるのは、彼女一人になってしまったそうです。
女性(60)
「村の様子はここ10年で変化しました。道路もでき、交通の便もよくなりました。観光客も増え、モソの人たちの生活も向上しました。一方で、結婚についての考え方も変わりました。若い人には若い人の考え方があるのでしょう」
結婚が大変な漢族の男性は「モソ族がうらやましい」
日本と同じように、家父長制がまだまだ根強い中国。漢族の人たちはどう思っているのでしょうか。
漢族の男性
「うらやましいですね。漢族の男性は、結納金とかマンションとか車とか、とにかく結婚にお金がかかります。子育てにも、です。大変な重圧です。ですからモソ族の制度をもっと広げたほうがいいです」
漢族の女性
「男女が平等でとてもいいと思います。男女の調和がとれている。彼らのやり方は先進的で、理想的なものだと思います。嫁姑問題もないし、子どもを奪い合うこともない。学ぶ点が多いと思います」

ガータさんはいいます。
「モソ族の女性は自由だと思います。働きたいなら働くし、休みたかったら休めばいい。誰も生き方を縛る人はいないし、家族みんなが楽しく暮らせばいいのです」

取材後記:
「男は稼ぎ、女性は家庭」「何歳までに結婚しなくてはならない」「離婚は世間体がよくない」「子どもは産まなくてはならない」「跡継ぎは男の子でないと」
私たちの社会は「こうあるべき」という暗黙のルール、暗黙の圧力にあふれている。
「どうあるべきか」より「どうしたらもっと幸せに生きられるのか」
モソ族の生き方は、私たちをがんじがらめにしている「あるべき」概念を打ち砕き、「もっと自由に、合理的に生きたらいい」と教えてくれる。
JNN北京支局長 立山芽以子














