
アフリカ中部に位置するブルンジ共和国。長年続いた内戦の影響で貧困生活を送る人々の生活を安定させるため地元産の蜂蜜をブランド化する事業で小田さんは現地の人とネーミングやパッケージデザインを考えました。

そこから生まれたのが「アマホロハニー」です。

小田さん:
「現地の言葉で『こんにちは』という風な言葉なんですけども、もう一つ意味があって、それは『平和』。この土地で住まう人々の共通した言葉の中には平和の願いのようなものが既に存在していた」

この活動を通して小田さんは「ハチミツと共に自分たちの平和をつくっていく」という誇りや力を感じたといいます。



小田さん:
「デザインっていうものって、自分たちの大切にしている価値観を明らかにしていく行為でもあると思うんですよね。その明らかになったものを目の当たりにして、『あ、そうそう!自分たちが大切にしたいものはこれなんだ』ってことに触れられた時、その周辺にいる人たちの内なる力というか、元々、持ってる潜在的な力をもっと引き出すことができる」



被爆三世の小田さんは、長崎工業高校時代、核兵器廃絶を求める『高校生一万人署名活動』に参加。活動のキャッチフレーズ《微力だけど無力じゃない》は、平和のために自分に何ができるかをいつも考えさせてくれました。

24日夜は、一万人署名活動の先輩や後輩が開いたトークイベントに招かれました。

平和と大学で学んだデザインが結びつき、テラ・ルネッサンスに出会って12年。デザインを平和のために役立てることに向き合ってきました。

小田さん:
「自分にとって取り組める何か平和への関わり方があるんじゃないかなとテラ・ルネッサンスで働きながらずっと考えていました。
それが仮に地雷であったとしても、子ども兵であったとしても、難民であったとしても、その目の前の課題・テーマに取り組むことが、長崎で目指していた『平和』というものときっと地続きにあるんじゃないかなと」
小田さんは、4月末でテラ・ルネッサンスを退職し、今後、フリーランスとして多くのNPOやNGOに、培ってきた経験や知識を拡げるチャレンジを始めます。

小田さん:
「平和のつくり方を分解していった時に、やっぱり関係性のデザイン、対話の力っていうものが必要になってくる。デザインっていう役割でもって、この長崎から発信される平和のつくり方に貢献していけると思うし、していきたいなという風に思います」
《デザインとは誰かと誰かをつなぐコミュニケーション》

小田さんはその先に平和があると信じてこれからもアプローチを続けます。

《平和のために、デザインの力を発揮したい。》
テラ・ルネッサンス 小田起世和展は、26日から3日間、長崎市浜町の楽ギャラリーで開かれます。