岸田総理との距離感は?

政府関係者に聞くと、官邸幹部が定期的に行う内部の会合で、岸田総理は必ずと言っていいほど、林官房長官に「林さんはどう思う?」と意見を求めるという。
その際に林官房長官は、的確な返答をし、岸田総理は「精神的にも支えられているのだろう」と見立てる。
林氏は、去年9月に外務大臣を退任し、岸田総理から派閥に専念するよう命じられたが、その3か月後に官房長官として急遽登板することになった。
これは、岸田総理が林氏を頼りにしていることの証左と言える。
そんな林氏の現在の胸中はどのようなものか。また、再び総裁選に挑戦するのはいつなのか。
“自民党の119番”の政治手法

自民党きっての政策通で、「局面打開のピンチヒッター」
林氏の人物評として多く聞かれるのは、このような声だ。
これまで閣僚の“不祥事”などがあった際、急遽火消し役として登用されてきた経歴を踏まえ、自ら「誕生日が1月19日だから“自民党の119番(緊急通報)”と言われる」と語る。
そんな林氏の政治手法は、「役割に任せる」こと。
周囲に「政治家が軽々に話しては官僚がいる必要がなくなるでしょ」と話すなど、官僚に任せるところは任せる主義だ。
一方で、官僚の説明が不十分だと感じれば、
「これだと対外的に納得が得られない。不十分だ」と練り直しを指示する。
官僚に任せつつ、判断は政治家が行い、責任も政治家がとる。
そのような政治姿勢は霞が関から一定の支持を得られているようだ。