本当に自分の人生を全うしているな

(貴島桐人カメラマン)
「描いてみてどうでしたか?」
(弥勒祐徳さん)
「大丈夫」

弥勒さんはそう答えると微笑みを浮かべて絵を描く仕草を見せます

(長男・猛さん)
「いまでも筆を走らせる時の目の輝きとか、筆の力強さというのは、まだまだ健在だなと思って、我が親ながら頑張れと、まだまだ頑張れと言いたいような気持ちでいっぱいでしたね」

弥勒さんが感じた桜の色や香り。
まるで桜への感謝が込められているようです。

(長男・猛さん)
「よく(父が)言ってたんですけど『桜が笑い出す』って言うんですね。『また、きょうも絵を描きに来てくれたか』『ありがとう』というような形で笑顔で迎えてくれるような気持ちになったんで、なおさら桜に対する愛着というのが湧いたんじゃないかなと思うんです。きょうも、この青空の下での桜を見ながら親父が絵を描いている姿を見たら、本当に自分の人生を全うしているなという思いがして…」

105歳の画家、弥勒祐徳さん。
長い年月、時間を共にしてきた桜は今年もキャンバスの中で花を咲かせました。

取材した貴島桐人カメラマンが最後に弥勒さんにお礼を伝えると、弥勒さんは「ありがとうございました」と顔の前で手を合わせて、満足げな表情をみせてくれました。


西都原で桜が咲くと、どこかで弥勒さんがキャンバスに向かう姿がありました。
「西都原の桜の風景は、弥勒さんが込みなのかなあ」と思っていました。

弥勒さんの個展、弥勒祐徳「西都原の春」展は、新富町のギャラリーしんとみで今月20日(土)まで開催されています。

※MRTテレビ「Check!」4月10日(水)放送分から