韓国・仁川空港経由だとお得?「乗り継ぎで顧客獲得」の狙い

それでも、価格を抑えてどうにか海外に行きたいという人もいるだろう。おすすめなのが、韓国経由でチケットをとるという手段だという。

鳥海高太朗さん
「韓国・仁川空港経由は、日本発の直行便に比べると少しお得になる場合があります。ヨーロッパに行く場合、日本のエアラインで行くより往復で5万円以上安くなることも」

時期や行き先にもよるというが、ソウル近郊にある韓国最大の仁川空港を経由するだけで、それだけ節約できるというのはどういうことなのか。

「これには韓国の航空会社の戦略があります。韓国の人口は日本より少ないので、乗り継ぎでお客さんをとっていきたいという狙いがある。乗り継ぎの手間がある分、安く提供し、顧客を獲得したいという狙いがあるのではないか。韓国の航空会社が力を入れているのは『日本の地方空港⇒ソウル⇒ヨーロッパやアメリカ』というルートです」

札幌や青森など、日本の12空港に就航している大韓航空の広報に話を聞くと、「ソウル経由は大変便利」と太鼓判を押す。

大韓航空・広報
「仁川空港は、日本だけでなく、中国や東南アジアからの乗り継ぎも見据えてフライトのスケジューリングがされているので、乗り継ぎがしやすくなっています。空港内の移動も簡単です」

現在は、日本からの乗り継ぎだけではなく、日本に向かうインバウンドの乗り継ぎでも盛況だという仁川空港。特に西日本から出発する人は、羽田経由よりも、ソウルを経由して海外に行く方が簡単だという。

──なるほど、では仁川経由が一番“お得”なんですね。

鳥海高太朗さん
「いえ、仁川経由がぶっちぎりで安いわけではありません。“割安”なものが出ているのは事実ですが」

──では、どこ経由が一番お得なのでしょうか?

「価格だけで言えば、一番安いのは中国経由です。ヨーロッパに行く際、中国の航空会社だとロシアの上空を飛べるので、そこが大きいです。現在、日本やヨーロッパの航空会社はロシアの上空を飛べないので…」

航空券の価格比較サイトでGWのロンドン行きの価格を比較すると、日本の航空会社の直行便は往復で20万円ほど。一方、中国の航空会社を使い、上海で乗り継ぐと往復で16万円ほどなので、約4万円安くなる。

しかし、中国は基本的にはビザが必要となるので、ビザの要件は事前に調べるなど注意が必要だ。