原子力規制委員会の田中俊一元委員長が5日午前に新潟を訪れ、自民党の県議に向けて自然災害と原発事故が重なる複合災害時の避難について講演しました。

これは、自民党県議団が『エネルギー問題特別部会』に開き原子力規制委員会の田中俊一元委員長を講師に招いたものです。

田中元委員長は、地震や津波などと原発事故が重なる複合災害時の避難をテーマに講演しました。

複合災害時の避難をめぐっては、能登半島地震をきっかけに、屋内退避のあり方や避難道路の確保といった課題が浮き彫りとなっています。

田中元委員長は、病院や介護施設では無理な避難で犠牲者が出かねないことや、事故の初期段階では建物の中にとどまることで被ばく量を大幅に減らせることなど、『屋内退避』の目的とメリットについて説明したということです。

【元 原子力規制委員会委員長 田中俊一氏】
「被ばくによる健康被害が出るというのは相当量の蓄積で、1週間とか10日で出るようなものではありません…」

【自民党県議団エネルギー問題特別部会 皆川雄二 部会長】
「複合災害に対応するためには、避難のあり方、訓練のあり方、放射能に対しての認識をきちんとしないと同じことの繰り返しになるんじゃなかろうかなと」

自民党ではこの講演の内容を、複合災害時の避難のあり方についての議論に役立てたいとしています。