防災のあり方について情報発信を行う専門家は、今回の津波警報を通して、災害時における沖縄の課題が浮き彫りになったと指摘します。

防災士・稲垣暁さん
「糸満で今渋滞しています、目の前の久茂地で渋滞をしている、それから牧港でも渋滞が発生しています、新都心には避難者で避難をしてくる人の車でごった返していますよ、みたいなことがどんどん入ってくるわけですね」

阪神大震災で被災した経験がある、防災士・社会福祉士の稲垣暁さん。
今回、低い土地にいた多くの人が車で避難した光景に着目しました。

津波警報が発表されたのは、交通量が多い通勤時間帯。
車で高台への避難を目指し、渋滞が発生する光景が各地で見られました。

防災士・稲垣暁さん
「普段から車というのが、生活の一つ、生活の大きなツールになっているので仕方がないとういのはあるけれども、ただ実際の津波があった時に、津波やそれに関する情報が出た時に、誰がその車を使うのか、ということですね、それをもう少し地域で考えていかなければいけない」

また、観光客をスムーズに避難させる難しさも見えてきました。

石垣市では。

観光客の男性
「とにかくナビ見ながら高いところをと思って…土地勘まったくないんで」

防災士・稲垣暁さん
「ただちに車を路肩に寄せてハザードランプをつけて、そして鍵をさしたまま逃げましょうというようなことが言われているんだけども、レンタカーを使ってらっしゃるかたは、自分の貴重品とかを車の中に置いて海岸とかに出ていらっしゃる方もおられるわけですよね。そんなときに車を置いて逃げられるか、そしてその、車に対する責任が問われるのではないかということを思うとですね、なかなかその車を置いて逃げるということまでできいかもしれないですよね」

今後も同規模の地震や、津波の発生を前提にした備えが必要だと稲垣さんは考えています。

防災士・稲垣暁さん
「今後、30年の間にマグニチュード8とかの巨大な地震が起こる可能性があって、今回の地震はその予兆に過ぎない、だからこのあともっと大きな地震がくるかもしれない、その時にどう動けるかということを今から考えておかなければいけないでしょうね」

「仕事で通る道の状態も知っておく、その辺りのハザードマップもみてですね、もし何かあった時には車をおいてどこに逃げるのか、それをやはり今のうちに確認をしておく、これが一番大事だと思いますね」