来年秋の完成を目指し、再建が進む首里城。正殿に掲げられる「扁額」の額縁を飾る彫刻が17日、報道陣に公開されました。

浦添市の工房で公開されたのは、首里城の正殿に掲げられる3枚の扁額のうち、「中山世土」の「額縁彫刻」です。



去年の2月末から愛知県と東京都で復元作業が進められていたもので、先月末に作業が完了しました。



額縁は、平成の復元では漆に金箔を塗って模様が表現されていましたが、今回は、琉球王家・王府の関連史料から得られた新たな知見を基に、天然ヒノキの木材に9体の龍などが透かし彫りの技法で彫り出されています。

このうち、中央の「正龍」は、およそ3か月かけて立体的に製作したもので、正殿に掲げた際に龍の顔が玉座を向くように、龍の瞳の大きさや位置など細かい調整を重ねたということです。



▼彫刻師 杉浦誠さん
「どうしてこの龍の顔なのか?どうしてこの龍のうろこなのか?どうしてこの指なのか、全部根拠のある意味を持って作らないといけないので、その当時はどうしてたのかということを主に考えてました」

新たな扁額は、額縁部分への漆塗りや「金薄磨」などの工程を経て、来年3月に完成予定です。