現実と過去の私はこれだけ違うんだ

「見えない障害」とも言われる「高次脳機能障害」。その当事者はある苦悩を抱えている。

(当事者の男性)
「一見、見えないんですよね。黙ってこう話していれば、『ああこの人は高次脳機能障害なんだ』ということは分からないんですけども」

およそ20年前の脳内出血が原因で高次脳機能障害と診断された宮崎県内に住む65歳の男性。
障害により人とのコミュニケーションが取りづらくなったという。


(当事者の男性)
「まず、自分自身の感覚、性格が、『え?』と思ったんですね。非常に怒りっぽい、そしてイライラする。思っていることがうまく伝えられない。伝わったことが相手には、第三者には、誤解を生む表現で受け止められる。現実と過去の私はこれだけ違うんだと認識した」


症状によっては性格を変えてしまうこともあるこの障害。
周囲から孤立するケースも少なくないという。

(宮崎大学医学部 荒川英樹教授)
「知っている人から『人が変わってしまった』とか『怠け者になったんじゃないか』とかそういうふうに偏見を受けることもありますし、また、周りの人が障害のことを知らないために接し方を間違えてしまったりとかですね。そういったところは難しいところだと思います」