「佐藤さん」だけの特典、そして「佐藤さん」ゆえの悩みとは?
では、この佐藤という名字、どこから生まれたのか?

有力な説としては、平安時代に“佐”野で活躍した武将・“藤”原秀郷の子孫が「佐藤」を名乗り始めたのが始まりといわれています。
“始まりの地”といわれる栃木・佐野市では「佐藤の会」が結成されていて、90度回転させると「さとう」になるロゴの入ったグッズがあったり、ホテルサンルート佐野では宿泊料金10%引きや、アルシオーネ・コート佐野はウェディングケーキのプレゼントなど、佐藤さんだけの特典もいろいろ用意されていたりします。
佐藤という名字を楽しんでいるような感じがしますけれども、このシミュレーションどおりに皆が佐藤さんになったら、どんな世界が待っているのでしょうか?

友達の家に遊びに行っても、表札はすべて佐藤になります。さらに、野菜を買おうとしたら生産者も全員佐藤さん。スポーツをするときも、敵も味方も皆が佐藤さんということで、500年後にはそんな世界が待っているかもしれません。
もはや名字が不要になってしまうかもしれないというところですが、今いる佐藤さんに、佐藤さんが多くて困ったことも聞いています。

これはもしかしたら“あるある”かもしれませんが、たとえば▼自分ではないのに反応してしまう。▼どの佐藤かわからない。
そして、▼簡単なアカウント名が獲得できないという悩みもあるそうです。メールアドレスなどのアカウントを作るときに名字を入れるけれども、みんな「sato」という名字を入力しているから、いろいろ数字やアルファベットを入れないと作れない。イメージできたでしょうか?