『あったかもしれない脳動脈瘤が破裂した可能性』でA氏は不起訴に

 警察はA氏を傷害の疑いで逮捕。その13日後に尚子さんが亡くなったことから、容疑を傷害致死に切り替えて捜査した。ところが…。

 (神戸地検尼崎支部)
 「A氏に対する傷害致死事件は『不起訴処分』としたので通知します」
 神戸地検尼崎支部は傷害の事実を認めていたA氏を不起訴にしたのだ。嫌疑不十分だった。なぜなのか?
 当初、司法解剖で尚子さんの死因は顔面付近への衝撃による「くも膜下出血」だと判断された。しかし検察は、くも膜下出血の原因は尚子さんの頭にあったかもしれない「脳動脈瘤」が事件当時に偶然破裂した可能性が捨てきれないと判断。不起訴の根拠となった。
 続く検察審査会もこの不起訴処分を妥当と判断した。

 (尚子さんの母親 有友裕子さん)
 「え?と思って。(尚子さんが生前通っていた)かかりつけのお医者さんのところに行って、『娘に(脳動脈瘤の)兆候がありましたか?』と聞いたら『兆候は全くないですよ』って言われて。すごく悔しかったですね」