「眼鏡をかければいい、手術すればいい、と思ってはいけません」先行する中国の近視対策

ゴーグルから眼に向けて放たれる、「レッドライト」。2014年、中国でこの光が目の血流を改善し、近視の進行を抑える効果が発見された。

――視力に変化は?

治療を受けた子ども
「視力は下がっていません。前よりもはっきり見えるようになりました」

近視クリニックの院長
「中国では、この装置を10数万人の子どもが使っています」

ただ、新たな治療法のため、一部の装置では健康被害も確認されている。網膜に疾患がある場合、視覚障害が発生する可能性もある。

しかし、アメリカの論文によると、治療のルールを守った被験者の90%近くに近視の進行を抑える効果があったという。

専門家によると、中国では様々な近視治療が試験的に始まっている。

北京茗視光眼科医院 周躍華 院長
「近視対策として薦めているのが、屋外活動や低濃度のアトロピンです。子どもの目の発達に応じて、様々な治療法を実施しています」

「低濃度のアトロピン」は日本では未承認だが、厚労省によると、審査に通れば
来年にも承認される見通しだという。

近視は国家の課題だ、と訴える。

北京茗視光眼科医院 周躍華 院長
「中国政府主導の近視対策は病院・学校・家庭にも及んでいます。子どもは3歳になる前に先天性の目の病気がないか検査し、それ以降も目の健康データを記録している。日本も同様のデータをとるべきです。近視は単に眼鏡をかければいい、成人になったら手術すればいい、と思ってはいけません」