学閥を優遇? 名簿を出す「本当の意味」は?

名古屋市で長年続く教育委員会への推薦名簿や金品の提供。しかし、これは人事権を持つ市教委側へのいわゆる「上納」とは違うと話す専門家も。
(元中学校教諭 三浦明夫さん)
「“上納”というからには下の者が上の者に、というのがあるが、むしろ逆だと思う。校長会は愛教大閥の一番中核的な組織になるはずなので、そちらの方が(市教委より)力が強い」
Q上から下に小遣いのような?
「私は小遣い(程度だと思う)」
名古屋市で長年にわたって中学校の教諭を務め、教員人事について研究している三浦明夫さん(74)。この地方の教員最大の学閥である「愛知教育大学出身者」による学校人事の支配だとみています。
名古屋市内の小中学校の校長を束ねる「名古屋市立小中学校長会」。愛知教育大学の出身者がどのくらいいるか、名簿を照らし合わせて調べました。


(記者)
「校長会の会長の名前が愛教大の同窓会名簿に載っています。愛教大の卒業生とみられます」
会長、副会長、理事の13人全員が愛教大出身とみられることが分かりました。
そして、教育委員会で人事を担当する教職員課も、課長を含む小中学校の人事担当者12人のうち10人が愛教大の同窓会名簿に名前があり、愛教大出身とみられます。
さらに、卒業年次を見てみると全員、校長会の幹部の“後輩”だったのです。
(元中学校教諭 三浦明夫さん)
「教職員課は校長会の一番下っ端の人たちが入る。1年だけ校長を務めた人が教職員課に送り込まれる(ことが多い)。で、校長会の手足となって働く。(推薦名簿には)まだ校長になれてない、教頭になれてない仲間を救済するという意味があるのではないか」
