名古屋市の教育委員会が長年、教員の団体から校長など重要ポストの「推薦名簿」や「金品」を受け取っていた問題。背景に見えてくるのは「学閥」による学校人事の支配です。実情を取材しました。

調査チーム座長は「人事権に外部から口を挟むのは“あり得ない”」

(名古屋市教育委員会の記者会見 2月11日)
「申し訳ありませんでした」

謝罪する名古屋市教育委員会。長年、教員の団体から金品と「ある名簿」を受け取っていた不可解な関係が問題に。

その図式はこうです。教育委員会には毎年、小中学校の「校長会」や教員の出身大学の「同窓会」、担当教科の「研究会」など、80以上の団体から、校長や教頭などの重要ポストに推薦する教員の名簿に加えて、200万円以上の現金や商品券が渡っていたのです。

公務員への利益供与の疑いもあるこの問題。名古屋市の調査チームはある見解を示しました。

(調査チーム座長 京都芸術大学 寺脇研教授)
「金品というのはもちろん論外だが、名簿自体も問題ということを認識しないと。教育委員会の専管事項(人事権)について外部から『この人がいいのでは』ということは普通あり得ない」

校長や教頭の登用は本来、教育委員会の「専決事項」…そこに教員側の意向が働いていた可能性があるのです。