気づいたのは「当たり前の幸せ」ダウン症の次男がもたらした笑顔

長男・海空くんは、弟ができて、優しくなったといいます。

飯塚さん
「エレベーターでみんなが降りるまで止めていてくれたりとか、必ず陸海くんの手をひっぱって階段を上ったりとか、当たり前のようにやってくれます。長男が小学校1、2年生のときに、障害があったりする子たちのクラスにいって『友達になろう』って言いに行ったらしくて。先生が『感動しました』って面談のときに教えてくれました」

陸海くんの存在が、海空くんの人を思いやる気持ちを育んでいると、飯塚さんは感じています。

飯塚さん
「もちろん陸海くんは、お兄ちゃんとは成長が大きく違います。でもすごく純粋なので、こっちもすごく純粋に子育てできるんです」

飯塚さん自身も、陸海くんの子育てを通じて、なによりも、笑顔が大切であると気付きました。

「陸海くんには感情がすぐにバレてしまいます。ちょっと怒っている顔をすればパパのところに行って、『ママいやだ!』みたいになるし、私が悲しい顔をしていればすごく心配して、とんとんってしてくれるし。

いつも私の顔を見ているので、自分は楽しくいるのが陸海くんの母親としての1番の仕事です。それを繰り返していたら、本当に幸せで毎日笑顔でいられるようになりました」

──陸海くんが生まれたからこそ、気付けたことはありますか?

「当たり前の幸せ。一緒におやすみって布団に入ることとか、おはようってみんなで顔を合わせる当たり前の幸せが、いかに贅沢なものか気づきました。前はお兄ちゃんが走りまわっていると『うるさいよ』って言っていたけど、今は『元気でうれしい』です」

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