東北大学災害科学国際研究所 木戸元之教授:
「過去の履歴を見るとM9クラスが三百何十年に1回は起きている、そろそろ”満期”なので、次に起こるのはそのクラスである可能性が割とある」

木戸元之教授ら東北大学などのグループは、千島海溝周辺のプレートの動きを調べる観測を2019年から行っています。ウェーブグライダーと呼ばれる無人で動く船などを使って、海底に沈めた装置が発する音波をとらえるものです。

海底の観測装置は、千島海溝の南東側から沈み込む太平洋プレート上に1か所、それに固着して引きずられる北西側の陸側のプレート上に2か所設けられています。

東北大学災害科学国際研究所 木戸元之教授:
「実際観測した結果、この沈み込む(太平洋)プレートとほぼ同等な速度で(陸側のプレートの)この21という点と22という点が動いていることが分かりました」

観測の結果、陸側のプレートが広い範囲で太平洋プレートと同じように動いているため、両者が大規模に固着している可能性が高いことが分かったのです。海溝の最深部である海溝軸に近い所まで固着していると、これが一気に滑った際には巨大な津波を引き起こすと言います。

東北大学災害科学国際研究所 木戸元之教授:
「実際に2011年の東北沖地震の時がまさにそれで、海溝軸まで完全に滑って、そのせいで非常に大きな津波が発生した。それと同じようなことが、もしここまで固着して、ひずみがエネルギーをためていると起こりうる」