「逃げ場ない」能登各地で道路寸断

村瀬キャスター
「志賀町の集落です。このあたりも震度7を観測したということで、こちらの家屋は倒壊しています。私の右手もこのように、建物が崩れてしまっています」
この志賀町で原子力災害が起きた際の避難計画書がある。志賀町の住民は北の能登町や南の白山市に避難すると記されている。

避難ルートは国道などの幹線道路を基本としているが、今回の地震では発生直後から多くの区間で通行止めが続いた。
原発周辺の住民は…
志賀町の住民
「やっぱり道がもうガタガタになって見ている通り逃げ場がないですよね。私らは原発の方はちょっと、今の段階では、廃炉にした方がいいんじゃないかなと思うんですけどね。子供たちがやっぱり心配ですよね、将来のことを考えたらね」
志賀町の住民
「不安は、大きいですよ(Q.原子力発電所の事故があったら?)避難は絶対無理ですよ。逃げる場所がないです。はっきり言って。やはり原発は必要ないと感じます」

さらに志賀町では原子力災害が起きた際、放射線を防護することができる避難施設も地震による被害を受けていた。ここでは住民がいまも避難生活をしているが、生活排水を処理する浄化槽が壊れたため、断水が解消されても水を使えない状況が続いている。
村瀬キャスター
「これが?本当だ、かなり浮いてしまって」

堂下健一志賀町議
「浄化槽ですね、重症ですよね。これが直らない限り、水は使えないということです」
村瀬キャスター
「避難施設として作られてるのに水道が使えなくなるというのも、なかなか困ってしまうのではないか?」
堂下健一志賀町議
「実際原発事故になりますと(施設に)水を持ってくる人は、まずいないと思う。あと仮設トイレ(を設置する)という話はありえません。本当にもう致命的ですよね」
志賀原発の避難計画にも不安があるという。放射性物質が漏れ出したとの想定で実施された防災訓練。道路が寸断し孤立した地域では、ヘリコプターや船を使って避難することになっているが。20年以上前から原発に反対してきた堂下町議は。

堂下健一志賀町議
「例えば空路、海にしてもいつも防災訓練、11月23日にやっていますが、そのときもいつも、ちょっと風が強かったりするとヘリが来なかったり、船が出なかったりしたこと今まではありましたので、当初から我々も(避難計画は)絵に描いた餅だということは言っていましたけれども、もう本当にそれがこういう形で証明されてしまったと思います」