常識を覆すシステムの研究が進んでいる。地震発生からわずか20分後に、津波で町がどこまで浸水したのかを予測するというのだ。一般的に津波の被害を把握するためには、ヘリコプターなどを飛ばして上空から確認するか、地上から沿岸部をつぶさに見ていく必要がある。これには時間がかかり、救援活動が遅れる恐れがある。一方でこのシステムを使えばコンピューター上で20分後に被害を把握できることに。いのちを守る画期的なシステムを取材した。

(TBS/JNN「Nスタ つなぐ、つながるSP~いのち~」下濱美有)

元日の能登半島地震では被害把握がなかなかできなかった

元日の夕方に起こった能登半島地震。大津波警報が出された。沿岸部を映し出すテレビ、「逃げてください」とアナウンサーが声高に訴えていたことは記憶に新しい。しかし地震発生から30分後には日没を迎え、どこにどれほどの被害が出たのかがなかなか把握できない。自治体が被害の実態を確認できたのは、ヘリコプターが飛んだ翌日の朝だった。

能登町長「欲しい情報が得られなかった」

石川県能登町の白丸地区。到達した津波の高さは4.7メートル。地震から2か月たった今も、あたりには畳や窓枠、家具などが散乱している。砂だらけになった子ども用のピアノの楽譜や年賀状なども残されていて、穏やかだった正月が一変したことが見て取れた。

能登町の大森凡世町長は「情報収集が難しかった」と振り返る。

「発災直後、道路が寸断されていて職員の3分の1くらいしか役所に来られなかったんです。情報収集というのが非常に困難な状況でした」
「電気もない、携帯もつながらない。情報が欲しいのに得られないもどかしさがありました」

インタビューに答える大森凡世町長

被害の状況をもっと早く把握できたら救えるいのちが増えるかもしれない。
そんな思いであるシステムを開発する研究者がいると知り、東北大学を訪れた。