もう1人欲しい?子育て世帯は?
子どもが減っている現状を皆さんはどう感じているのでしょうか。子育て世帯にお話を聞きました。
ーー子ども“もう1人”とは?

2児の母(6歳・1歳)会社員30代
「今のところ無理かな。体力的にも経済的にも難しいかな」
「小学校中学校に行ったら塾も欠かせない。塾に行かなくても良い大学・高校に行ける環境が作れればありがたい」
2児の母(3歳・0歳)会社員30代
「子どもが体調崩して早退ってなると、周りに申し訳ない面も強いので、周りからの理解が当たり前の働ける環境が整ったら良い。働き辛くて正社員辞めてパートに変わった人もいる」

1児の父(8か月)営業・会社員30代
「(育児が)物理的に難しいところもある。火曜日水曜日は休みなんですけど、営業(仕事)の電話がかかって来る」
1児の母(1歳2か月)会社員30代
「電車に乗ってもやっぱり“静かにさせなきゃ”みたいな空気感。子どもを育てやすい雰囲気に国がなれば良いなって」
小川キャスター:
体力面、経済面、そして働く環境の改善、さらには空気感。あらゆる面での課題が多すぎて、今を乗り切るのに精いっぱいというのが伝わってきますよね。

藤森キャスター:
政府が発表した未婚の男女に、理想の子どもの数を聞いた調査では、初めて男女ともに2人以下となりました。(男性1.82人、女性1.79人)
これは、教育費が昔より高くなっていたりして、経済的負担を考えると、1人しか産めそうにない、という声があります。
現行の子育て支援は、出産一時金や中学生まで支給される児童手当で計約250万円。

そうした中、政府は新たな子育て支援として、0歳~18歳までの子ども1人19年間で平均約146万円、年割にすると大体7~8万円という数字を26日に出してきたんです。でも、まだピンとこないというか、具体的な説明も乏しいし…
産婦人科医 宋美玄さん:
子育てしてる側からすると、給付はもちろんプラスにはなるし、ありがたい子育て支援ではありますが、それでもう1人産むか?というと、よほど多額の給付でない限り、過去の例を見ても、給付というのは今いる子どもにより教育課金なりをするということで、目に見えて数字として増えるぐらいの給付では全然程遠いと思うんですね。
それよりは、例えば学校の先生もいつまでたっても待遇も改善されなかったりして、国が教育にもっとちゃんとお金をかけて、この国で産んでも、公立にずっと通わせていたら立派な大人になるというような安心感だったり、こういった目先の年間数万円の給付じゃなくて、年収が何百万と上がるような雇用政策とか、そういうレベルじゃないと、子どもが増えるというところまではいかないと思いますね。
小川キャスター:
これなら安心して産める、これなら安心して子育てを続けていけるという、そうしたメッセージがいまいち伝わってこないですね。
データサイエンティスト 慶応大学医学部 宮田裕章教授:
一時的な給付は景気刺激策にはなるんですけども、やはり少子化対策ということ考えると、教育に対する負担が減るとか、あるいは子どもを産んだときにいろいろなサポートを受けられるという継続的な支援として成立してるかどうかなんですよね。
今回の政策の中で、広く薄くがどうしても目立ってしまっているので、同じ財源を充てるにしても、例えばデータを使えばより苦しい人に寄り添うことができるんです。
例えば、日本では離婚してしまった場合のシングルペアレンツの貧困率が、OECD(経済協力開発機構)34か国で今、最低なんですよね。半数以上が貧困になってしまう。それを改善しないといけない。産めば何とかなるではなく、いまは逆の状況。安心感や未来への期待をいろいろな側面から作れるかということが重要だと思います。