ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まってきょうで2年です。ウクライナ各地への攻撃が続き、殺害された民間人は1万500人を超えています。

ウクライナ当局は23日、南部オデーサや中部ドニプロにロシア軍の攻撃があり、死傷者が出たと明らかにました。

国連によると、ウクライナでの民間人の死者は侵攻開始から今月15日までで、少なくとも1万582人に上っているほか、国外への避難民の数は647万人を超えています。

こうしたなか、国連の安全保障理事会は緊急会合を開きました。

ウクライナ クレバ外相
「ロシアのテロは我々の抵抗と決意を強めるだけだ。ウクライナ支援が平和につながっていることを忘れないでほしい」

ウクライナのクレバ外相は「いまロシアを止めなければ、ウクライナ以外の国で、多くの命が失われるような惨事に直面することになる」などとして、改めて国際社会に支援を呼びかけました。

またこの日、アメリカ・バイデン政権はロシア国内外の500を超える団体や個人を対象とした追加制裁を発表しました。

アメリカ バイデン大統領
「プーチンはウクライナを簡単に打ち砕き、乗っ取れると思っていた。2年が経ち、彼は今も間違ったままだ」

一方、ロシアでは、「祖国防衛の日」にあわせて、プーチン大統領がビデオメッセージを出し、ウクライナ侵攻を「祖国を守る戦い」だと強調しました。

ロシア プーチン大統領
「真実と正義のために戦い、祖国を守る勇気を示している。あなたたちは国民にとって真の英雄だ」

プーチン大統領はロシアが持つ「戦略核の95%が近代化した」などとして、核戦力の増強を誇示しました。

ウクライナ侵攻をめぐっては去年6月にウクライナが反転攻勢に出たものの、欧米からの支援が停滞し、弾薬不足などから苦しい戦いを強いられています。今月には東部ドネツク州の要衝アウディーイウカから撤退し、ゼレンスキー大統領も「複数の前線が非常に厳しい状況にある」と認めるなど、事態の打開に向けた見通しはたっていません。