大杉雅栄さん
札幌のヤジ排除裁判を知っていたら「肉声のヤジは選挙妨害にならないし、公道で暴力的に排除することはできない」ということはわかるはず。その議論を全く踏まえず、ヤジを飛ばす人に暴力を振るい、挙げ句に「選挙妨害で被害届を出すからな」とまで言っている様子には愕然とする。排除したのが選挙スタッフならば、選挙事務所に電話して「あんな暴力的なことをしていたら、そのうち逮捕されちゃいますよ」と“忠告”したいくらい。

桃井希生さん

桃井希生さん
札幌のヤジ排除と色々なところが似ている事件だと思いました。とくに「万博10兆円」のところなんて、評価ですらない、ただの事実を話しているだけなのにこのように排除されて、明らかにおかしい。警察も「協力お願いします」とだけ言って実質的に行動を制限していて、道警と同じ過ちを繰り返しているのではないか。

 誰もが自由に行き来できる街頭で、政治に様々な意見を持つ人が集まる選挙の演説現場。ヤジを飛ばしたり、プラカードを掲げたりする行為は選挙妨害ではなく、表現の自由であり、「意見表明」とも言える。権力機関がヤジ(批判的な意見)を排除するのは問題だが、民間人による排除も大きな危険性をはらんでいる。この問題を放置しておけば、権力側が実行しなくても民間人が代わりに排除することを助長することになり、街頭演説の場での意見表明を委縮させてしてしまう空気が作られる。ひいては「おかしいことはおかしい」と発言すらできなくなる社会になりはしないか。札幌や八王子などで起きた排除は、どこで起きてもおかしくはない。

映画「ヤジと民主主義 劇場拡大版」は全国で上映中。劇場情報は公式ホームページを参照。

https://yajimin.jp/