ハロルド・ジョージ・メイさん:
私のキャリアがスタートしたのはバブルの真っただ中です。ただ、忘れてはいけないのは、当時はバブルという言葉すらなかったですから。

当時は日本経済がもうイケイケゴーゴーで、とどまることを知らない。そのうち世界で一番になるんじゃないか。そのくらいだから「24時間タタカエマスカ」というのは当たり前のことで、貯金とか考えたこともなかったです。

とにかく入ってきた収入はそのまま使っても全然大丈夫、また入ってくるだろうという甘えが、社会全体に広がっていた時代でした。

井上貴博キャスター:
その世代の皆さん、もう少ししっかりやっていただきたかったと下からは思いますけど、でもバブル期は内需が好調で、金融とか不動産が伸びた。そして賃金も上昇しました。

でも今は海外からの投資家だから、株価は上がるけれども、賃金はまだ上昇していない。しかも日本の国内総生産は2期連続でマイナス。だから実感が全然湧かない。

実感、何かあるかなと考えると、NISAの運用グラフだけですね。実感は他に何もないですもん。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
当時は本当に、そういうことを考えてもいなかった。貯金とか、将来のために今から頑張るんだという発想ではなく、デイ・トゥ・デイだったんです。

井上キャスター:
でもそれで、まったく困らないということですもんね。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
もっとよくなるだろうとしか考えていなかった。

今だから過熱だとか、簡単にデータを振り返ってみると「そうだよね」というのがあったかもしれないですけど、当時はまったく。